ケプストラム
ケプストラムとは
信号のフーリエ変換で得られたパワースペクトルを対数に変換したあと逆フーリエ変換して求めたもので、
その横軸をケフレンシーと呼び、単位は時間(本アプリではms)です。ケプストラムで認められるピークのケフレンシーの逆数
として周波数(Hz)を求めます。声音にこの方法を適用すると、声のピッチ(=声帯の振動周波数)を求めることが出来ます。
このケプストラムの低ケフレンシー部分以外を0としてフーリエ変換するとスペクトルの概形(スペクトル包絡)
を得ることが出来ます。このスペクトル包絡は声音では声道の共振特性などを表わしており、声の識別において
重要な要素とされています。
ケプストラム分析の実例
本アプリでは、解析画面で Waveform ボタンを2回タップすると、
FFT analysis ボタンとなり、その右に Spectrum の表示
が現れます。それを2回押すと Cepstrum ボタンとなりケプストラム分析の結果が表示されます。
黒線のグラフがケプストラムで、そのピークの時間の逆数で基本周波数がわかります。
赤線のグラフは上述の方法で算出されたスペクトル包絡です。このグラフは画面の左右のタップで周波数範囲が
変更になり、また上下部分のタップでグラフの位置が上下に移動します。下図は”イ”の音で、声帯振動数を表わす基本周波数は123Hz、
第1フォルマントは約300Hz、第2フォルマントは約2500Hzと読みとれます。