エンベロープ(包絡線)とカウンター

  エンベロープとは

  時間軸波形の頂点(負の波はその絶対値の頂点)を結んだ線です。本アプリではヒルベルト変換により求めています。 周期的にピークがある信号についてそのピークの間隔を求めたりする場合に役に立ちます。解析画面で Waveform  をタップすると Envelope 画面になります。Waveform画面でフィルターを適用している場合は フィルター後の波形データに対してヒルベルト変換が行われます。デフォルトで表示されるのはヒルベルト変換で得られた解析信号の 絶対値をカットオフ周波数20HzのLow pass filter(LPF;4次)で平滑化したものです。このLPFは下に現れるスライダーでoffにしたり、 カットオフ周波数を変更したりすることができます。
  得られたエンベロープからピークの出現頻度を求めることができます。 Counter ボタンを 押すと水平線が現れ、それと上方に交差するエンベロープの点を求め、その平均周期からピークの出現頻度(/秒および/分)を算出します。

  活用の実例:心音からの心拍数計測

  心音が1つだけでは心拍数は計測出来ないので、まず Waveform モードでピンチイン操作など により表示時間幅を拡げて数心拍の心音が画面に表示されるようにします。下の図で1音(幅の広い方)、2音が並んでいるのがわかります。 ここで Waveform ボタンを押すと先程の波形のエンベロープがLPFにより平滑化されて現れます。なお 目的とする信号によりLPFのカットオフ周波数は適宜変更する必要があります。

 Counter というボタンが現れるのでそれを押します。下図左では、現れた赤の水平線が1音だけでなく2音にも少しかかっています。 これでは心拍数が計測できません。 Counter ボタンを繰り返し押すと水平線が上に移動しますので、 適当なところで止めて現れた数値を読みとります。これは乳児の心音で135回/分であることがわかります。

  また最初の Waveform モードで元の波形にLPFをかけて周波数の高い2音の山をなくすことも可能です。 下図では元の波形にカットオフ周波数50HzのLPFをかけて2音の波を弱くし、その後で Waveform ボタンを 押してエンベロープを生成したものです。2音の山が消えて心拍数計測が容易になったことがわかります。