横を向いて寝るだけで、無呼吸が消失することがあります。
睡眠時無呼吸の患者さんの約半数の方は、横向きに寝るだけで、無呼吸の回数が半分以下に減少します。
いびきは、睡眠時無呼吸の患者さんでは、横を向いても減らないことがしばしばあり、逆に強くなるケースも見受けられます。
これに対して、無呼吸のない単純性いびき症の患者さんの場合は、横を向けば、いびきが弱くなります。
ある本には、横向きに寝る工夫として、パジャマの背中の真中の部分にポケットを作り、そこにテニスボールを入れて寝るというアイディアが
紹介されています。
お酒は、イビキ・無呼吸がある人の場合、症状を強くします。
運動により体重減量が達成されれば無呼吸が軽減するのは当然のことですが、運動には体重減量が達成されなくとも無呼吸を改善させる効果があることが知られています。
2014年の時点でそのような5件の研究を集積した論文(メタアナリシス)では、無呼吸低呼吸指数(AHI)が平均6.3/時間(運動開始前の値の32%)減少し、睡眠効率が増加、
日中の眠気も改善することが示されています。この改善は体重減量を伴わずに生じていることが注目されます。
メカニズムとしては、日中の運動の結果として夜間の下肢水分体幹移動が減少すること、安定した深睡眠が増加し上気道筋活動が安定化することなどが考えられています。
このほか、体重は不変でも、筋肉が増え脂肪が減ることも理由かもしれません。
いずれにせよ有意義な効果があることから、運動は推奨されます。ただし、重症の無呼吸症ではこの程度のAHI減少では不十分ですのでCPAPの併用が必要と思われます。
なお、これらの研究で用いられた運動方法は、好気的運動(自転車、歩行など)と筋トレの組み合わせで、好気的運動は1回30~60分、週3~5回程度です。
なお、この運動療法については、CPAPニュースでも取り上げています(2012.1、2016.8、2019.1)。