鼻CPAPについで有効なのがこの方法です。 口腔内装置はボクシングで使うマウスピースのようなもので、下顎を前方に数mm突き出してかみ合わすようにするものです。 これにより咽頭部が広がり、息の通りがよくなります。イビキも軽くなります。
適応は一般的には中等症以下の睡眠時無呼吸症候群またはイビキ症とされています。当院での有効率は約90%でした。
重症例でも、肥満でない場合、横向きでは無呼吸やイビキが無い場合などでは効果があることが多いようです。
適応になりにくいのは、鼻閉が強い場合、肥満が高度である場合、低酸素が著しい場合などがあげられます。また、運転業務に携わっておられる場合で
CPAPの適応がある方は、口腔内装置よりも効果が確実なCPAPの適応です。
このほか、歯周病などがある場合、口腔内装置をして歯に負担がかかり歯を失うケースがありますので、歯科でよく相談する必要があります。
通常は上の歯列が、下の歯列より前に位置します。口腔内装置を装着すると下の歯列が前に移動し、上の歯列と同じかやや前に位置するようになります。
このとき下あごも前方に移動し、そのため咽頭が広くなります。
歯科で歯形をとって作成し、効果を計測して不十分なら調整します。この方法は寝るときに装具をはめるだけで、手軽で、違和感も少ないのが特徴です。
ただし口を閉じてしまうので鼻をしっかり通しておくことが大切で、鼻閉があるときは先にそれを治療しておく必要があります。